コラム「先代の治療論」

ぎっくり腰

耐えがたい激痛がある日突然私達をおそうかもしれない。
このギックリ腰とは何なのか。

その症状としては一般に中腰で捻った時、急に立とうとした時等、ギクッという鈍い音とともに激痛が走り動けなくなる。あるいは変だなと思いながら、翌日腰が痛くなったり、ひどい時には身動きが出来なくなると言う様にその症状はまちまちです。

痛みの原因としては、軟骨が外力によってはみ出たり(上から圧力をかけると、その軟骨は左右に逃げ場を求めて動く)、あるいは筋肉の硬直のため、その部位が膨張して神経圧迫を起こして痛みを感じます。
さて、ギックリ腰がなぜ起きるのか、その原因について考えて見ると、一般に腰が悪くてギックリ腰になると思われていますが、果してそうなのでしょうか。

例えば、7月上旬から10月初旬にかけてもっとも多く起きる様に季節の変動に伴い多発する現状を直視すると、 合点のいかない面がある様に思われます。

そこで腰の骨、又は筋肉の役割として、骨は骨のみで構成されているのではなく、筋肉も又筋肉のみで構成されているのではない。骨格と筋肉があってはじめてお互いに助け合い成り立っているのです。腰の骨は5個あり、その一つ一つ作業内容が違うのです。
どう違うかと言えば、腰椎 (Vertebrae Lumbales)


1番・背屈する動作
2番・ 側屈する動作
3番 ・ 腰を捻る動作
4番・ しゃがんだり、胡座をかく動作
5番・坐わる・立つ・会釈する動作
という具合に一つ一つに役目がある。

しかし、これはあくまで動作的診断での話です。
不思議な事にどうして重量物を持たなかったにもかかわらず、ギックリ腰になったり、或は朝起きようとしたが腰がゆうことをきかなくなったりするのでしょうか。

原因を分けると筋肉疲労によるもの、内蔵の体壁反射、外気温度の変化、室内温度による温度差(冷房によるもの)汗の内攻、自発性の欠陥など沢山あげられると思います。
あくまでもギックリ腰は、その人の全体的な内の局所的疲労であることを知る必要があります。

今度も少しずつ、ギックリ腰について書かせて頂きます。