コラム「先代の治療論」

花粉症について

花粉症は体の冷えが引き起こすと私は考えます。
そういうと少し極端な言い方のような気もしますが、つまりは体の芯の部分が冷えてしまうと花粉症を誘発しやすくなるということです。

それはなぜか?
体の芯の温度と、体内の免疫システムが相関関係にあると私は考えるからです。

当然ですが、免疫力が落ちれば花粉症などのアレルギー性呼吸器疾患の症状を悪化させることになります。

ではどの様に改善するかというと、「春の花粉症であれば夏の過ごし方を気を付ける」ということです。

これを聞くと多くの方が疑問を持つと思います。(無理もないと思いますが)
半年前の過ごし方が、今現在の自分を苦しめている花粉症に影響がある筈がないと。
確かに表面的にはそうかも知れませんが、根っこの部分では大きく関係しています。

実例として、ある患者さんが花粉症がひどくどうしても治したいといわれました。
私は夏の過ごし方を気をつけるように伝え、なおかつ適度に足湯をしてもらいました。

すると、今年は去年より酷いといわれている花粉ですが、その患者さんは過去で一番ラクだそうです。

どうしてこの様なことが起こるのか?
この説明に入る前に一度わたしの立場を明確にしておきます。

それは、人体について科学的に解っていることは一部であるということです。
この点については、西洋医学の学者の方の中にも意見が一致している方が多くいます。

そして、あなたの人体は今日昨日に出来上がったのではなく、長年の蓄積によって出来ています。
これを聞いて「ピン」と来た人はおられるかも知れませんね。

では説明を続けましょう。
「春の花粉症であれば夏の過ごし方を気を付ける」

これは、夏にエアコン、アイス、シャワーのみの生活(湯船に浸からない)などで
「体の芯が温まらない生活」をしてしまうと、人間本来の免疫力の低下を招いてしまいます。

人間は自然物です。
特に日本人には四季があり、その四季の移り変わりに合わせるように人間の体内も変化していきます。

さきほど触れた「長年の蓄積」とはあなたの祖先から続く遺伝子的な蓄積をも意味します。
そして、この免疫力の低下は季節の変わり目に分かりやすく表れます。
その代表例が春先の花粉症と言えるでしょう。

この話を聞いて、夏に体の芯を無意識に冷やしていることにお気づきになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

花粉の量は年々強くなっています。
そればかりかPM2.5と黄砂の問題(微小粒子状物質の一種であるPM2.5や黄砂は、花粉症などのアレルギー性呼吸器疾患の症状を悪化させる)もあります。

これに対し、インターネットなどで対策を調べると大半の内容は、マスクをすること、なるべく屋内にいること、薬を服用することが挙げられています。

この点に関しては私の考え方と相入れないものがあります。
先に述べた体に本来備わっている「力」を弱めてしまう習慣を改めないで、場当たり的な対処をすればますます体は弱くなってしまいます。

もし花粉症で悩まれている方がいらっしゃったら、「夏の過ごし方を気を付ける」無理のない範囲で試してみてはいかがでしょうか。