コラム「先代の治療論」

腰痛の予防法

腰は文字の通り「要(かなめ)」とされ、人体の中心。
この要の部分に歪みが生じるとさまざまな障害が発生してきます。
腰痛、肩こり、頭痛、視力障害など、体の構造に応じた疾病に化けて出てきます。
腰痛を、ただ単に「腰の痛み」というとらえ方ではなく、「要の歪み」として考え直してみると、重大さも切実に感じられてきませんか?
ひとつしかない体の、その要が歪んで いる・・・・・・ 悪影響を及ぼす可能性があるのは明解です。

さて、腰痛の予防法ですが、ここでまとめておきましょう。

まず筋肉を休めること、自然で正しい姿勢をとることです。
疲れたときに、両膝か片膝を軽く曲げて横になった姿勢は、まさに「自然体」。この姿勢は同時に筋肉のこわばりをゆるめる方法なのです。これは無意識による自発的な行為です。体は疲れを癒す技術をよく知っているのです。ですから、自分で疲れたと感じたら、風呂に入る前に5分、10分、ときには気がすむまでこのポーズですごしてみればいいのです。それが予防法にもなり、結果的に病気も未然に回避することができるのです。

また、両手をバンザイ(挙上)しますと、筋肉が引っ張られ、元に戻したときにはゆるみます。さらに両手を組んで頭の頂点に当てますと、昔から知られている「百会(ひゃくえ)」というツボに刺激が伝達され、背部の筋肉もゆるめることができます。