コラム「先代の治療論」

病気になる理由(後編)

もう少し具体的な実話として、私達が忘れてはならない公害問題があります。 

私が知っている範囲では「足尾銅山の水質汚染」・「水俣病」・ 川崎での大気汚染や未だ原因不明のままだと思いますが「川崎病」など枚挙するものがあります。

国で行なう方針方策は少なからずとも30年50年と先を考え、進化してく社会状況に線路はひかれているはずです。

しかし、経済を一方的に最優先した時は道徳も人道も薄れてきます。
その償いが水俣病もそうですが、最近ではアスベストが原因でなる肺中腫による訴訟問題と報道を通じて耳に入る情報は人ごとではないことが理解されます。

自分では元気に、そして健康でありたいと思っても、外部環境が病気を起こす要因である物質を撒き散らせば、好むと好まざるとにかかわらず病魔は体内を埋め尽くしていきます。
この病魔は、外部環境のみにあらず、内部にも存在するのです。

皆様も既にご存知のように、近年の日本は欧米型の食事になり、消費エネルギーを超えて砂糖 (ソフトドリンク) 脂肪・アルコー ル・ケーキ・フライ・コロッケ・ピザ・添加物だらけの加工食品・インスタント食品を摂取する様になり、そこに加え運動不足がありますと代謝異常によって細胞機能の衰えもさることながら、栄養欠乏をきたしていきます。

特に加工食品は1種類の食品をつくるのに数十種類の添加物が必要とされているそうで、もし1日10gを摂取したなら1年間には4kgという数字にもなります。

また、いま増加の一途をたどっている “ガン” に関しても、甘味料のチクロタール系の色素は沢山の発ガン性物資が使われているという報告もされています。

戦後まもない日本の食生活を忘れないで下さい。
飲まず食わずの社会状況であっても、沢山の子供を手塩に掛けながら育て上げた慈悲なる母、その立役者となる日本人の古来よりの食である日本食。
それは米や味噌・醤油漬物でした。
漬物は酵素のみならず、ビタミン・ミネラル、そして水分が抜け出ているので同じ量の生野菜の3~4倍の食物繊維が含まれています。

21世紀の時代は、ただ単に社会の趨勢(すうせい)にまかせるのではなく、自由を与えられている私達は、もう少し病気になる理由を掘り下げて吟味していかなければならない時代になってきたと考えるべきではないかと思うのです。