コラム「先代の治療論」

感情が生み出す毒素

内臓疾患はもとより、 精神に至る全ての支障に対し、 感情から生み出す毒素を見逃すわけにはいきません。

人間の生命も基本的には一つの細胞の変化、そして作用によって進化し、新しい動きを育て、 形成していきます。
その経過は栄枯盛衰と言われていますように、 生成→発展→成熟→衰退、そして消滅と繰り返し行なわれています。
自然界をみても中国の三国志等をみても理解することができます。 そして、皆様方もご存知の古代中国の聖典といわれている易経 (易学) の中に、陰陽五行説があります。
その五行説は木・火・土・金・水と五系統に配当されています。更に、五系統別の応用範囲の中で五志という感情に関する作用と人体 の内臓との密接な関係が下記となっています。

(1) 木気 (肝臓) 作用は怒る

(2) 火気 (心臓) 作用は喜ぶ

(3) 土気 (脾臓) 作用は思憂

(4) 金気 (肺臓) 作用は悲しむ

(5) 水気(腎臓) 作用は驚・恐

例えば(4) の場合、 学校の卒業式などを境にして別離があり、身内との死別によって大変悲しむ。
この時の感情は悲しみに包まれますので肺呼吸も浅くなり、必然的に姿勢もトボトボと前屈状態になります。
現象によって起こっている事柄が日常生活と密接な関係をもって肉体に影響を与えています。この時に生ずる各自の感情と臓器は、一連に作用することが理解されると思います。

また(1) の場合ですと、怒るという感情は肝臓に負担をかけ、著しく機能を損ないます。
アメリカの科学者が、極悪非道な犯罪者が人を憎んで殺害した時の吐く息を調査したそうです。零下212度の冷却装置の 中に息を吹き込むと息が液化してカスができるそうです。
そのカスをモルモットに注射すると、場合によって急死することもあるぐらいに猛毒だそうです。
そのような物質を臓器は産生することができるということなのです。
昔の養生法では平穏無事が何よりといいますが、 本当にそう思います。平穏無事を心がけて生活している方の精神状態は平静に近いものですから、感情の浮き沈みも少なく穏やかなので、息のカスを調べると無色透明だそうです。
感情の起伏によってはその色も、悲しい時は灰白色、恐驚の時は青色、恥ずかしかったり喜んだりする時は桃色であったりし、またモルモットも急死する程の猛毒の色となると、栗色を帯びるといわれています。

この様に、日常の環境によって感情が左右され、細胞が分化・増殖、そして突然変異することが生活習慣にあるとすれば、病気も必然的に起きうると考えられます。
創造する、思うことの力強さは日常生活の原動力であって、努力は全く役立たない事、そして努力という言葉を第一義にすれば、心身を壊すという事にも気が付きました。
また最近は、サプリメントによって健康維持を考えている方が多くいるようです。私は食が細く、友人の奥様から、食べるのにもエネルギーがないと食べられないと言われたことがありましたが、確かに一理あると思いました。
食べ物は生命に欠かせないわけですが、体内のものを、どのような方法によって外へ排泄させるかということも大切に考えて頂きたいです。
夏であればラーメン・うどん・ カレーライス等、 汗を積極的に出すような食物をとって老廃物を排泄させるとか、クーラーを極力使わず、積極的に発汗するなどして、血液の調整機構や局所性因子の恒常性を維持させるなど、日常生活に於いてできる事はすべきだと考えます。